ポートフォリオにおけるアセットアロケーションの構築について正解というものは恐らく存在しないでしょう。
なぜなら、我々投資家は皆それぞれに投資に対するスタンスが違うからです。
運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることを言う。 アセットとは「資産」、アロケーションとは「配分」という意味。
ある人は、まだ20歳で、いくらリスクを背負おうと向こう40年のリターンで替えが効く人。
またある人は、70歳を間近に控え、リターンを望まない代わりにリスクを最小限に抑えたい人。
毎月の投資可能額が5万円の人もいれば、毎日平気で500万円つぎ込める人だっています。
投資家はそれぞれ、目的とリスク許容度が違うのです。
長期保有で得られるリターンは、どのファンドを選んだかではなく、どの配分で株式と債券を保有していたかで決まる
あなたが今、生涯に渡って米国株長期投資を行う決断をしたとしましょう。
次に行うこととして最も優先されるべき事は何でしょう?
資金の調達?それとも証券口座の開設?
はたまた「最短でブチ上げる!株式投資の鉄則!」みないな本でも読んで、いっぱしの投資家になった気分を味わうことでしょうか。
違いますね。
ベンジャミン・グレアムも言っています。
ポートフォリオの内どれだけを株式として保有するか、そして残りのどれだけを債券に振り分けるかを考えるのだ、と。
今ここにあなたと時を同じくして米国株長期投資を決断したあるひとりの人がいたとします。
あなたとその人は、投資にあたりS&P500連動インデックスに重きを置きながらもある割合で個別株を購入しつつ、債券の重要性も認識していました。
長期投資を思い立った日から20年が経ち、お互いに(もちろん相手の存在は知らないながらも)リターンを得て株式市場から引退しました。
さて、あなたと見知らぬその人は投資に対して「S&P500に連動させ、債券で下落を免れる」という思考は一致していましたが、個別株に対しては「異なる考え方」を持っている状態です。
ここであなたと見知らぬ誰かの最終リターンを開示します。
あなた:年利6.2%
だれか:年利6.8%
お互いにしっかりと米国株長期投資の想定リターン5%以上を獲得していますが、あなたとだれかにはほんの少し利益の差がありました。
偶然にもいつの日かこの事実を知ったあなたは、利益の差が生まれた原因をこう考えるのではないでしょうか。
「きっと個別株の選択の差だな」
だってそうですよね。
あなたとだれかは「S&P500に連動させ、債券で下落を免れる」方針は一緒だったのですから。
違ったのは、個別株の選択だけですものね。
未来のあなたはそう分析して静かな余生を過ごすのでした。
あなたとだれかの投資スタンスには、まだひとつ異なる点があることに気づかぬままに。
あなたは市場価格を毎日チェックし
その値動きに連動してポートフォリオの90%を株式で保有したり、ある時は株式を15%まで減らし85%を債券で保有したり
その時々に最高のリターンを得られるであろうことを夢見てポートフォリオを組み替えていたのです。
反面、だれかは市場に全く興味を示さず、
初めて投資を開始したその日から株式:債券 = 70:30の割合
のポートフォリオを生涯貫き通しました。
暴落時に保守的なポートフォリオに移行したり、上昇相場の勢いに乗ろうと革新的なポートフォリオを組み上げようとすることは、かえってリターンを減らすことにつながってしまう可能性が高いと言われています。
アセットアロケーションを固定すべきか柔軟に変化させるべきか
アセットアロケーション固定させることはリスクを限定(想定)させやすいというメリットがあります。
逆にアセットアロケーションを市場変化に応じて柔軟(本人だけがそう思っている場合がほとんど)に変えていくことは、利益増に繋がるかもしれないが、そうならないかもしれません。
そして大半の場合、それはそうならない可能性の方が高いことがほとんどです。
これまでも当ブログ内で書いてきました。
自分を特別な存在だと思うなと。
株式市場という(短期的に見れば)荒波の中で、柔軟あるいは戦術的な変更は慎重に慎重を重ねる必要があり、ある種の予見能力が備わっていなければ、手を出すべき領域ではないのです。
リスクの高いアロケーション = リターンの大きいアロケーション という幻想
アメリカ経済が今後も永きに渡って成長を続けることはほとんど確実でしょう。
まとめ
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